【SS】コロナ後の世界

コロナを不治の病という設定で書きました。

 

これを見てコロナは不治の病だとかいう、ガセは流さないように。

 

※もし、コロナが不治の病だったら、みんな行動 変えるだろうな、って思って

 

 

 

203X年、俺も40半ばになった。

2020年流行したコロナウイルスで世界は変わってしまった。

あの時、俺たちはわかっていなかった。

 

あの時、日本の大部分の人がコロナはただの風邪みたいなものだと思っていた。

それがそうじゃないってはっきりわかったのはそれから数年後だった。

 

実はコロナはエイズC型肝炎みたいに1度かかるとキャリアになって治らない病気だったんだ。

それが分かったときには世界中にコロナは広まっていた。

 

コロナは初期症状として肺炎が出るけど、その正体は体中の毛細血管に住み着くウイルスだった。

一時症状が落ち着いたり、かかっても無症状だったとしても、人間の毛細血管に住み着いて、仕事が忙しかったり、体調を崩したりして、免疫力が落ちてきたときに、症状が出てくる、口唇ヘルペスと似たような生態をしていた。

 

コロナは2020年冬前に、第一次初期流行のピークを越えた。

ここぞとばかりに世界は活動を再開し、貿易を再開し、海外旅行に出かけた。

今までの鬱憤を晴らすかのようだった。

その時一番お金を使ったのは日本人だったらしい。

だけど、それ以降、老人が死ぬ前に肺炎になったり、脳卒中が増えたり、腎臓が悪くなる人が増えだしたんだ。

高齢者が死ぬ前に肺炎になったり脳梗塞になるのはそんなにおかしなことじゃない。

だけど、ある医師が自分の患者の血液検査をしてみた。

すると、亡くなる前の患者の血液にはコロナウイルスの量がすごく増えていることが分かったんだ。

その医師は論文を書いて学会に発表した。だけど学会は信じなかったよ、その時は。

学会は「老人が死ぬ前に免疫が落ちたときにコロナにかかっただけ」って考えたんだ。

だけど、今度は働き盛りの突然死が増え始めたんだ。

残業してた社員が翌朝出勤したらデスクで冷たくなってた、とか

夜遅くまで飲んでて、その日までは元気だったのに翌日亡くなった、とか。

別の医師が、月末や締め日の数日後に働き盛りの突然死が多いことに気づいて、採取した血液の検査をしたらやっぱりコロナウイルスの量が増えていたんだ。

 

世界の研究者たちは仮説を立てる。

ウイルスはウイルス単体では生きてはいけない。ウイルスは人や動物=宿主の中に入らないと生き続けることはできないんだ。

そこで、コロナウイルスが考えていることはただ一つ。

自分の子孫繁栄のために「できるだけ長く、宿主の中で生き続けたい」

そして、もしその宿主が死にそうになった時に、もともとの宿主を見限って、次の宿主に移るために発症する。

 

世界の医療機関は、全国民を対象にコロナウイルスの抗体検査を開始した。

すると先進国ではおよそ80%がキャリアだということがわかった。

また、統計をとったらキャリアの人間は平均寿命が短いこともわかった。

各国は国の人口維持の為、20%のノンキャリアを隔離することにした。

更に、各国は鎖国をすることにした。輸入品にもウイルスがついていることがわかったし、あえて敵対する国にウイルスをくっつけた商品を輸出するようになったからだ。

国はノンキャリアにコロナを移さないように、ノンキャリアの生活が困らないようにノンキャリアの生活を保護し始める。

次第にキャリアとノンキャリアは人生設計の立て方や考え方に差が出てくるようになった。

キャリアはどんなに働いても、長く生きれないことがわかったから、まじめに働かないやつも増えたし、将来の成功を夢見て子供のころから勉強をするなんてことはしなくなった。

ノンキャリアは寿命が長いから自然と政治家や社長になる人が増えた。

 

各国も自給率を上げることが急務になり、みんな農業を始めた。

日本は資源が無いから燃料だけは輸入しなきゃいけなかったけど、昔ほどは輸入できないから、電気の消費量を落とさなくちゃならなくなった。

だけど、日本は水力発電が割と使えたから、なんとかなっている方だ。

電池の性能もすごくあがったから、多分江戸時代よりかは、夜も明るいはずだ。

ノンキャリアノンキャリア同士で子供を作る法案ができて、コロナは母子感染しないことが分かったからキャリアの子供でも、国が指定する医療機関で出産すれば、ノンキャリの家に養子に出すことができる。

 

そうだ、実は日本はノンキャリ率が世界でトップクラスに高い。

理由はわかるか?おまいらみたいな引きニートがいたからだよ。

おまいらって本当にすごいのな、本当に閉じこもってたんだよな、自分の部屋に。

さすがにジョークか釣りかと思ってたけど、部屋の前にご飯が置いてあって、トイレはペットボトルみたいな生活してるやつがこんなにいたなんてな。

だけど、そんなお前らのおかげで日本のノンキャリ率は高い。

2020年の秋以降、世界はこぞって抗体検査を受けようって流れになって、みんな受けたがった。

当時は抗体陽性じゃないと、海外旅行に行けなかったからね。

抗体陽性になるためにわざとコロナにかかりにいくやつもいた。

今となればバカなことだったな、って思うよ。

それから、岩手県が完全に自治権を取って独立した。

岩手は世界や日本に広がるコロナ楽観視を受け入れず、県民一体となって「コロナを入れるな」と強硬手段を取った。

岩手はもともと水も十分あったし、畑も田んぼも十分あった。

日本の法律では独立なんてできなかったんだけど、岩手県民が全体となって立ち上がって、県境を封鎖したんだ。

岩手は自治を始めで、いずれ日本政府もそれを容認せざるを得なくなった。

今では岩手の情報はあまり入ってこないけど、いまだに岩手のコロナ発症者はゼロで、世界から見ても地球上に残された唯一のフロンティアになってる。

今では岩手をノアの箱舟に見立てて信仰する宗教までできて世界中に信者がいる。

 

今、俺たちが後悔してるのは、コロナ前とコロナ後で 俺たちは変わらなきゃいけなかったのにそれをしなかったってことだ。

俺たちは、コロナ後、それまでの失われた時間を取り戻すかのように遊びまくった。

ストレスや鬱憤を晴らすように、飲みに出かけたし、ライブに行ったし、旅行に行った。

俺たちは、以前のような生活を取り戻したくてしかたなかったし、取り戻せて当然だと思ってた。

その時は一応治療薬と言われるものもでき始めてたし、ワクチンもそのうち作れるって言われてた。

だけど、実際は治療薬はウイルス量を一時的に下げる効果しかなくて、ウイルスを殺菌する作用は無かった。

ワクチンもその後いくつかできたけど、インフルエンザの予防接種みたいに、打ってもまたかかるってことが多くて、結局あんまりいいものはできなかった。

後になって、コロナは不治の病だってことが分かって、後悔してももうその時には遅かったんだ。

 

結局、日本の場合は、汚染地域として北海道と九州、沖縄。本州の大部分にキャリアを移住させ

四国と中国地方と東北地方を清浄地域としてノンキャリを住まわせることになった。

なんであの時、って俺も後悔してるよ。なんで、コロナを風邪みたいなもんだって思ったんだろうって。

でも、あの時世界中がコロナはインフルエンザみたいなもんだって思ってたんだ。

だけど、未知の病なんだから、新しい病気なんだから、それがどんな病気かなんて詳しいことはその時は何もわかってなかったんだから、もっと慎重に考えるべきだったんだ、WHOも国も。